
ステージ4乳がんを経験された漫画家・白戸ミフルさんの笑いあり、涙ありのエッセイ漫画をお届けします。
#10 寂しさを埋めた恋と感謝の気持ち
【10話】
ステージ4乳がんサバイバー、絶賛婚活中の白戸ミフルです。
35歳で突然ステージ4の乳がんを宣告され、最短で抗がん剤治療を開始するかたわら、夢を追いかけたり、新しいことを始めたり、海外旅行したりと精力的に活動していた私。
合コンで知り合い、付き合うコトになったヲタ君にモヤモヤしつつも、乳がん摘出手術のために入院する日を迎えたのだった。
入院は1週間ほどだったが、元々退屈が苦手な私は、入院生活を充実させようと、スーツケースいっぱいに荷物を詰め込み、術後の入院生活に備えていた。
そして、手術当日…血栓症防止のための靴下をはき、オペ室まで歩いて向かう。
手術はもちろん全身麻酔。早く全身麻酔が効いて気を失いたい…。
手の甲から麻酔点滴から入ってきて、痛みを訴えた瞬間、私は気を失った。

術後は、腫瘍を切除した場所が空洞となるため、そこに溜まる体液や血液を排出するために挿していた管も地味に痛く、苦痛に耐える日々を過ごしたが、無事に手術は終わり、乳房は温存できた。
退院の翌日には職場へ復帰し、週末はヲタ君と会ったりもしていたのだが、段々と大変といわれている治療の終わりが見えてきた…! と思うと
「(ヲタ君より)もっと良い人がいるんじゃないか?」と
ヲタ君への気持ちが冷めてきてしまった私。
結果的に、(振られるように)狙っての私の身勝手な行動についていけなくなった彼は、私から離れていった。
思えば最低な話だが、ヲタ君と付き合ったのは、彼のことを本当に好きだったからではなく、不安と寂しさを埋め合わすために彼に甘えていたのだろう。
今となっては彼に伝えられないが、私は彼にとても感謝をしている。
病気が治る未来も見えず、孤独で辛かった時に、ニッコリ笑ってありのままを受けとめてくれた時は、本当に救われたし、むしろ私みたいな打算的な女に彼はもったいないくらい、心がキレイな人だったと思う。
※本記事の内容については個人の体験を元に構成したものであり、治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありませんし、治療方針等については当社が推奨するものでもありません。ご自身の主治医とよく話し合い、最善の治療を選択してください。
1話 #1「自己紹介・乳がんを宣告されて10年経ちました」
2話 #2 合コン三昧だった35歳で直面「もしかして…乳がん?」
3話 #3 抗がん剤治療を始めることになったが…
4話 #4 初めての抗がん剤治療と彼氏との別れ、そして新たな決意
5話 #5 漫画とバイオリン、夢への再挑戦を始めたが…
6話 #6 抗がん剤治療後の旅行決行、私の選択の結果
7話 #7 治療中にモテ期到来!?がんが変えた私の視野
8話 #8 恋をしたいけど…病気を打ち明けるのが不安と葛藤
9話 #9 不安と孤独を救った優しい恋
作者プロフィール

白戸ミフル
神奈川県出身。35歳の時に乳がんの宣告を受ける。平日は化粧品メーカーのマーケティングに従事しながら漫画家・ライターとしても活躍。趣味は海外旅行、キックボクシング、婚活。
闘病記に加えて婚活エッセイも数多く手掛けており、著書に『乳がんステージ4だった私が、それでも合コンに行きまくって救われた話』(キノブックス)など。
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