
ステージ4乳がんを経験された漫画家・白戸ミフルさんの笑いあり、涙ありのエッセイ漫画をお届けします。
#7 治療中にモテ期到来!?がんが変えた私の視野
【7話】
ステージ4乳がんサバイバー、絶賛婚活中の白戸ミフルです。
35歳で突然ステージ4の乳がんを宣告され、最短で抗がん剤治療を開始も、夢を追いかけたり、新しいことを始めたり、海外旅行したりと精力的に活動していた私だった。
そして、彼氏と別れてしまったので、お酒は控えめだったものの、合コンも再開していた。
抗がん剤も回数を重ねると、段々と慣れも出てくるもので、投与後1~3日くらいは、気持ち悪くて、お酒を飲みたいなんて思わないが、1週間前後くらいからは、食欲も戻って来るし、お酒も飲める(もちろん先生からOKが…出たわけではないが)。
とはいえ、治療前と比べると確実に痩せて、もちろん髪の毛の脱毛も見る影もないくらいツルリとハゲてしまっていた。
だが、それで良いこともあったのだ。

ぶっちゃけ、がんになってからの方が見た目のレベルが上がったので、モテるようになった。
ただ、嫌な思いをしたこともたくさんあった。
ウィッグについて突っ込まれた時は、基本的に相手の聞き方に合わせて「地毛だよ!よく間違えられる」とか「最近キューティクルケア頑張っているから髪ツヤツヤでしょ」とか、開き直って「うん!今日寝癖がひどかったからウィッグで来ちゃった」とか答えていた。
しかし、医療用ウィッグではなく、安価なファッションウィッグを使用していたので、本当はほとんどの人には、ウィッグだとバレてしまっていたのだと思う。
なかには執拗に「なぜウィッグか?」と聞いてくる人もいた。
そういう人にはちゃんと理由を話したが、誰にでも病気の話をしたかったワケではないので、話したことで自分も傷ついた。
また、以前ほどお酒を飲めなくなった私に、文句を言ってくる人もいた。
もちろん、一般的にがんは深刻な病気と捉えられる節はあるので、治療中に遊んでいた私にも非があるというのは認識してはいたのだが……。
もし自分が逆の立場だったら、人の見た目の変化や、お酒を飲む飲まない問題についても、突っ込むことはやめようと思った。
乳がんを経験したことで、俯瞰的な考え方もできるようになり、視野が広がったと思う。
※本記事の内容については個人の体験を元に構成したものであり、治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありませんし、治療方針等については当社が推奨するものでもありません。ご自身の主治医とよく話し合い、最善の治療を選択してください。
1話 #1「自己紹介・乳がんを宣告されて10年経ちました」
2話 #2 合コン三昧だった35歳で直面「もしかして…乳がん?」
3話 #3 抗がん剤治療を始めることになったが…
4話 #4 初めての抗がん剤治療と彼氏との別れ、そして新たな決意
5話 #5 漫画とバイオリン、夢への再挑戦を始めたが…
6話 #6 抗がん剤治療後の旅行決行、私の選択の結果
作者プロフィール

白戸ミフル
神奈川県出身。35歳の時に乳がんの宣告を受ける。平日は化粧品メーカーのマーケティングに従事しながら漫画家・ライターとしても活躍。趣味は海外旅行、キックボクシング、婚活。
闘病記に加えて婚活エッセイも数多く手掛けており、著書に『乳がんステージ4だった私が、それでも合コンに行きまくって救われた話』(キノブックス)など。
▷ブログ
▷X(Twitter)
▷Instagram
▷連載漫画
