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がん治療後の外見のお悩みを軽減する【アピアランスケア】とは?セルフケアのポイントもご紹介

2025.03.18

抗がん剤治療や手術の影響によって、外見が変化することがあります。そのため、「がんの治療を受けたら、会社や学校に行きにくくなるのではないか」「ショッピングやおしゃれも楽しめなくなるのではないか」と不安を抱く方は少なくありません。

今回は、がん治療後の生活に対する不安を軽減する「アピアランスケア」とご自分でも対処できるセルフケアのポイントについてご紹介します。

アピアランスケアとは?

がん治療は外見の変化を招くケースがあります。また、がん治療後は、罹患前と同じように周囲の人たちや社会と関わりづらくなったと悩み、苦しんでしまう方は少なくないようです。

がん治療による外見の変化が招くこのような心理的負担を軽減し、がんの治療を受けた後も普段通りの生活を送れるようにサポートする包括的な取り組みをアピアランスケアと言います。

アピアランスケアの重要性

がん治療も含め、医療では、健康を取り戻すこと、命を第一優先とする治療が行われてきました。しかし、近年では治療によって健康を取り戻せても、見た目の大きな変化が心理的な苦痛を生んでいるケースが多いことも分かってきました。そこで、治療による心理面への負担を軽減するアピアランスケアの重要性が注目されています。

生活の質や治療への意欲をあげること

がん治療によって外見に変化が生じるのであれば、治療を避けたいと考える人もいるほど、見た目の変化が与える影響は大きいものです。

アピアランスケアは、がんの治療を受ける方の気持ちに寄り添いながら、さまざまな方法を用いて外見に関わる苦痛の緩和を目指します。

外見の変化に対する不安や苦痛を少しでも解消できれば、治療後の生活の質も高まり、治療への意欲も維持しやすくなるのではないでしょうか。

アピアランスケアとセルフケアのポイント

昨今では、がん治療後に社会復帰をするケースが増えており、医療の現場でもアピアランスケアの重要性について議論が深まっています。まずは、医療者に悩みや不安を伝え、どのような対処法があるのか相談してみることをおすすめします。治療による改善方法や日常生活で取り入れられる対処法などについて、適切なアドバイスをもらえるでしょう。 また、セルフケアでもお悩みを軽減できる場合もあります。ここでは、ご自身で簡単にできるセルフケアのポイントをご紹介します。  

脱毛

抗がん剤治療の影響で、髪の毛が抜ける場合があります。しかし、すべての抗がん剤に脱毛の副作用があるわけではなく、髪が抜ける場合もその程度は人によってさまざまです。また、多くの場合は、治療後数か月すると元の髪質に近い毛が生えてきます。しかし、一時的であっても髪の毛の無い状態がストレスになるケースは少なくありません。

髪の毛が抜けたときは、ウィッグや帽子を使ってカバーすることができます。帽子もウィッグもファッションの一環として利用する人が多いアイテムです。帽子やウィッグを選ぶ際には、自分に似合うデザインであるかを第一優先にして選ぶようにしましょう。

スキンケア

がん治療を受けると、肌が乾燥したり、シミが増えたりするケースがあります。肌に自信が持てなくなると、人と会うことが苦痛になってしまうこともあるでしょう。しかし、スキンケアも特別なことをする必要はありません。

皮脂が落ちて乾燥が進む熱いお湯は避け、ぬるめのお湯でこすらないように優しく洗い、肌を清潔に保ちます。入浴や洗顔の後は、化粧水や保湿剤でしっかり保湿をしましょう。かゆみやひりひりとした感じが出てこなければ、特別な化粧水を使う必要はありません。また、紫外線はシミの原因になるため、外出の際には日焼け止めを塗るようにしましょう。 これらのスキンケアは、がんの治療を受けた方だけに必要なケアではなく、きれいなお肌を保つための基本的なケアです。丁寧に毎日のスキンケアを続けていくと、お肌のコンディションも維持しやすくなります。

ただし、分子標的薬などによって肌が荒れる場合は、医師の指示に従い、肌を傷つけないように優しく日常のケアを続けましょう。

メイク

抗がん剤の影響などで、肌の色がくすんで見えるような場合は、濃い目のファンデーションを塗り、チークで赤みを加えると、健康的な肌色に仕上がります。部分的に皮膚が黒ずんでいる場合などは、コンシーラーややけどなどを隠す化粧品も便利です。

また、肌が荒れているときには、肌に刺激を与えにくいフェイスパウダーを柔らかいパフなどで付けるとよいでしょう。

ファッション

乳がん手術を受けた後、傷が落ち着くまではワイヤー入りのブラジャーや締め付け感の強い下着は、傷口や肌に負担を与えやすくなります。手術を受けた方用の下着も販売されていますが、一般に市販されているカップ付キャミソールやスポーツブラなど、締め付けが少ないものでも代用が可能です。

また、傷が落ち着いた後は、ブラジャーにパットを入れるとバランスを取りやすくなるでしょう。

がん治療の影響で手足にしびれや痛みなどがある場合は、ボタンやファスナーの服は避け、かぶるタイプの服を選ぶとストレスなく着替えられます。治療後は、徐々に手足のしびれや痛みは緩和していくため、ファッションを楽しめなくなるのではなく、一時的な対処法として考えておくと気が楽です。

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まとめ

今回は、がん治療によって生じる外見の変化に伴う苦痛や悩みをケアするアピアランスケアについてご紹介しました。がん治療による外見の変化によって周囲の人との関係性も変わってしまうのではと不安を感じるケースもあるでしょう。しかし、がんになっても、がん治療を受けても、自分らしさが失われるわけではありません。

治療後の外見の変化に悩む場合には、まずは医師や看護師の方に相談し、悩みを打ち明けてみましょう。アピアランスケアの重要性も広く認識されるようになっているため、どのような方法で対処できるのか、役立つアドバイスをもらえるでしょう。

今回ご紹介したセルフケアのポイントもぜひ、参考にしてみてください。

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