乳がんブラジャーとは?【前編】おすすめ3社の商品を紹介!

2023.05.30

乳がんの治療中や治療後は、痛みや左右の大きさの違いから、これまでのブラジャーが合わなくなることも少なくありません。そんな悩みを解消する下着が「乳がんブラジャー」です。 

ひと昔前まで、乳がんブラの選択肢は限定的でした。しかし、昨今では、おしゃれで機能性が高いブラジャーが多く見られます。今回は、乳がんブラジャーの役割とおすすめする3社の商品をご紹介します。

乳がんブラジャーとは?必要性と役割 

乳がんブラジャーとは、がんにより放射線治療や乳房の全摘手術や温存手術、再建手術などを受けた方専用のブラジャーです。一般的なブラジャーと比較して、着脱しやすく、締め付け感や皮膚への刺激を低減し、左右差を解消するための機能が備わっています。 

乳がん専用のブラジャーを着ける目的は? 

乳がんブラは、乳がん治療後、あるいは治療中の痛みや症状に合わせて開発されています。例えば、術後、腕が上がりにくく、傷口に痛みがある方向けの前開きでクッション性のあるブラ。左右の大きさを合わせるためのパッドを入れられるポケットがあるブラ。再建手術した方向けのホールド感の高いブラなど、ラインナップは豊富です。乳がん専用のブラジャーを身に着けることで、見た目にも美しく、痛みやむくみの予防になるといった効果にも期待できます。 

乳がんブラジャーはいつから着けるべき? 

一般的には、痛みや腕の動かしづらさが生じる術後や放射線治療中から乳がんブラを着ける方が多いようです。とはいえ、必ずしも乳がんブラを着けるべきということではありません。

着脱がしやすいスポーツブラや、カップ入りのタンクトップが着やすいという方であれば、無理に乳がんブラを着用する必要はないでしょう。 

治療状況や症状によって適したブラは異なる 

乳がんブラといっても、機能や形は1つではありません。治療の経過とともに、傷口の状態も変わり、手術の内容によって胸の形もそれに伴う悩みも千差万別です。

大切なのは、その時々の自分に合ったブラジャーを選ぶこと。

一般的には、術後や放射線治療中は、着脱しやすい前開きのブラジャーが適しています。徐々にワイヤーが入っていないソフトブラジャーやワイヤー入りのブラジャーにシフトしていくなど、自分の好みや術後の経過を見ながら適したブラジャーを選んでいきましょう。 

商品紹介1.ワコール 

大手女性用下着メーカーのワコールでは、1974年から乳がんブラ「リマンマ」を製造・販売しています。術後に適した優しい着け心地のもの、乳房温存手術された方向けのもの、再建手術された方向けのものなど、胸の状態に応じたラインナップが豊富に取り揃えられています。全国6箇所に設けられた「リマンマルーム」では、専任アドバイザーによるフィッティングや相談が可能です。 

術後の胸に優しいブラ 

BZE693】 

・カラー:OC・WI 

・価格:¥4,180(税込) 

・サイズ構成:M・L・LL・3L 

手術後や放射線治療中は、ブラジャーの着脱がしにくく、締め付けが気になる方も多いもの。リマンマの「前あきソフトブラジャー」は、前開きのため腕を上げたり、背中に回したりして着脱する必要がありません。ソフトな肌触りは、敏感な術後のお肌を優しくいたわります。 

ワコールの担当者に、このブラジャーの特徴を聞きました。 

「やわらかでラクな着用感のブラジャーです。肌側の素材は綿100%で、縫い目や取り扱いラベルが肌に直接当たらないよう工夫した肌あたりの優しいタイプ。術後は痛みや腕の上げ下げがしづらくなる場合があるため、着脱しやすい前開きタイプのブラジャーがおすすめです。薄型の成型カップつきで、自然なバストシルエットにととのえます」(担当者、以下同) 

ワイヤーのないレースブラジャー(術後の経過が落ち着いた方向け) 

BZE337】 

・カラー:

RP 

・価格:¥6,600(税込) 

 A〜C90:¥7,150(税込) 

 D:¥6,930(税込) 

 D90:¥7,480(税込) 

・サイズ構成:A〜D・70〜90 

術後の腫れや痛みが引いてくると、バストラインにもこだわりたいもの。とはいえ、着け心地も重要です。リマンマの「ワイヤーなしブラジャー」は、日常使いしやすく、胸を綺麗に見せてくれます。 

「腫れや痛みが落ち着いたら、ご自分のサイズに合ったワイヤーなしのブラジャーをおすすめします。やや厚みのあるカップ素材でバストラインをととのえ、胸もとを自然にカバーします。

華やかなレースをカップに使用しながらも、胸もとはノンレースですっきりしたデザイン。バックは綿混素材を使用し、肌あたりも優しいタイプ。肌側には、パッドを入れられる大きなポケットがついています」 

商品紹介2.ニッセン 

ファッション通販オンラインショップのニッセンも、乳がんブラの開発・販売をしています。

「ハートエール」は、顧客から寄せられた「乳がん手術した人向けに、締め付けのないブラジャーを作って欲しい」という声から生まれたのだとか。10Lまでとサイズ展開が豊富な点も、ハートエールの特徴の1つです。 

「ニッセンレディスインナーでは『一人ひとりの心と体に寄り添い、最も適したインナーをご提供すること』をブランドメッセージとして、 お客様の声を活かした商品開発を徹底しており『ハートエール』もお客様の声から誕生しました。乳がん手術後の声に寄り添い、 何度も試作を重ね、こだわり抜いた商品を展開しております」 

Vカットノンレースワイヤーブラジャー 

CAJ0322D0002 】 

・カラー:

ブラック・カーキグリーン 

・価格:

¥3,289〜¥4,609(税込) 

・サイズ構成:

M・L・LL・3L・4L・5L・6L・8L・10L 

Vカット仕様により、広げて着脱しやすい乳がんブラです。脇高設計で、傷口も優しくカバー。肌あたりがやわらかく、締め付けがないため、術後などデリケートな時期も優しく胸を包みます。 

「縫い目やゴムが当たらない仕様、優しい着用感にこだわった乳がんブラです。Vバックで安定感のある着心地がありながらも、上下辺にはゴムを使用せず、ソフトパワーネットでふんわりフィット。フックアイ仕様のため、着用感をご自身で調整していただけます」 

商品紹介3.アボワール 

乳がんを経験した中村真由美さんが代表を務める、アボワール。

「乳がんになっても、おしゃれな下着を身に着けたい」という想いから、乳がんブラの開発・販売を始めたのだといいます。 

アボワールでは、術後の経過や胸の状態に合わせて3つのステップに分け、それぞれのステップに応じた商品を展開しています。どのステップのブラジャーも、色、柄、素材のバリエーションが豊富で、機能性とともに自分好みの1枚をチョイスできます。 

これからシリーズ

総レースブラジャー】 

・カラー:

ネイビー・ホワイト・ベビーピンク・モカ・大人レッド・グレー・ブラック 

・価格:¥6,930(税込) 

・サイズ構成:M・L 

重厚感のある、総レースの乳がんブラ。ノンワイヤーかつ伸縮性の高い素材を使用しているため、胸や脇下に締め付け感がなく、快適な着け心地です。上からはもちろん、下から履くように着脱も可能。術後の仕事復帰や長時間の着用も安心です。 

「これまでの乳がんブラと比較して、とても細い肩紐にびっくりされる方が多いですが、細くても食い込まず、肩に負担がかからない設計をしています。左右差があっても、ずれることはありません。シリコンパッドも入れられますので、術後から全摘された方、温存された方、再建された方まで幅広くご利用いただけます」 

再建術後の胸をきれいに整える特別なブラ 

エメリタ】 

・カラー:

ピンク・クリーム・ライトブルー・ネイビー 

・価格:¥9,570(税込) 

・サイズ構成:S・M・L・LL・3L 

乳房再建手術の先駆者である形成外科医・武石明精医師をはじめ、女性医療者と約40名の再建患者の協力のもと、2年間で20回の試作を重ねて作られた特許取得のブラジャー。

再建手術後に多い「左右の胸の大きさに差が出る」「アンダーバストの位置が揃わない」といった悩みも、長さや曲線の違うワイヤーとアンダー調整用・ボリューム調整用の2つのパッドで解消します。 

乳がんブラは、形も機能もさまざま。後編では、アボワール代表の中村真由美さんに、自分に合ったブラジャーの選び方や適切な着け方、測り方をお伺いします。 

後編はこちら>

<ご紹介商品まとめ>

ワコール「リマンマ」 

ニッセン「ハートエール」 

乳がん経験者が作った乳がん下着専門店アボワール 

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