「2人に1人が経験する時代」代表的ながん9種類とその特徴

2025.08.14

がんは私たちの体のさまざまな部位に発生し、その特徴や症状、治療方法は異なります。頭頸部がんや肺がん、消化器がん、泌尿器がん、リンパ・血液のがん、乳がんや女性特有のがんである子宮がん、卵巣がんなどがあります。本記事では、代表的ながんの種類を取り上げ、特徴について解説します。

監修医師

人物, 医者

西 智弘 医師

2005年北海道大学卒。
室蘭日鋼記念病院で家庭医療を中心に初期研修後、川崎市立井田病院で総合内科/緩和ケアを研修。
その後2009年から栃木県立がんセンターにて腫瘍内科を研修し、2012年から川崎市立井田病院にて腫瘍内科・緩和ケアに従事。
また2017年に一般社団法人プラスケアを立ち上げ、暮らしの保健室や社会的処方研究所の運営に携わっている。

そもそもがん細胞とは

がんは、細胞の複製エラーから発生します。私たちの体には約60兆個の細胞が存在し、そのうち約1%が毎日死んで新たな細胞に置き換わります。この細胞分裂の際に、遺伝情報を持つDNAが何百億回とコピーされる中で、複製ミスが起きることがあります。

がん細胞は、正常な細胞と異なり、制御が効かずに分裂を繰り返し、死なない特徴を持ちます。日常的に私たちの体には約5,000個のがん細胞が生じるとされており、免疫細胞がその都度これらを排除しています。しかし、免疫が誤ってがん細胞を見逃すことがあり、生き残ったがん細胞は増殖して塊を形成し、体に悪影響を及ぼす「がん」となっていくのです。

がんの種類

がんには、次のような種類があります。

頭頸部がん

頭頸部がんとは、頭部と首の範囲に発生するがんの総称であり、鼻、副鼻腔、口腔、咽頭、喉頭、唾液腺、甲状腺などが含まれます。ただし、脳、目、頸椎、肩の病変はそれぞれ専門の診療科で扱われるため除外されます。頭頸部がんは「QOL(生活の質)」と密接に関係しており、呼吸や食事、発声、聴覚などの重要な機能が集中しているため、治療ではがんの根治性とQOLのバランスを考えて対応されます。

肺がん

肺がんとは、肺内の気管支や肺胞の細胞ががん化したものです。がんが進行すると、周囲の組織を破壊し、血液やリンパ液を通じて他の部位に転移することもあります。転移しやすい場所はリンパ節、他の肺部分、胸膜、骨、脳、肝臓、副腎です。

肺がんの組織型には、「腺がん」「扁平上皮がん」「大細胞がん」「小細胞がん」の4種類があり、この中で「腺がん」が最も多く、全肺がんの半数以上を占めます。「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」で治療方針が大きく異なります。

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消化器がん(胃がんや大腸がんなど)

消化管は、口から始まり食道、胃、小腸、大腸を経て肛門に至る一連の器官で、食物の消化、栄養の吸収、排泄において重要な役割を果たしています。消化器がんには、食道がんや胃がん、大腸がんをはじめ、肝臓がん、膵臓がんなども含まれます。

消化器がんは、早期にはほとんど自覚症状がありませんが、進行すると食道がんでは飲み込みにくさや胸の違和感、胃がんでは胃痛や吐き気、貧血、黒色便などが現れます。大腸がんの場合、便に血が混じる、便が細くなるといった症状が出ることがあります。

消化器がんが疑われた場合、内視鏡による生検でがん細胞の有無や種類を確認し、血液検査やCT、MRI、PET検査などの画像検査を通じてがんの広がりや進行度を評価します。

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泌尿器がん(前立腺がんや膀胱がんなど)

泌尿器がんには、膀胱がん、前立腺がん、腎がんなどがあります。

膀胱がんは膀胱上皮から発生し、血尿が最もよく見られる症状です。他にも、頻尿や排尿困難、尿意切迫感などの症状が現れることがあります。

前立腺がんは男性特有のもので、高齢者に多くみられます。PSA(前立腺特異抗原)検査によって異常が見つかれば前立腺生検を実施し、確定診断します。

腎がんは腎臓の尿細管細胞から発生し、無症状で偶然発見されることが多いがんです。血尿や腹部の痛みで発見されることもあります。

リンパ、血液のがん(悪性リンパ腫や白血病など)

リンパや血液に関連するがんには、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、白血病などがあります。

悪性リンパ腫はリンパ球ががん化した腫瘍で、全身に分布するリンパ節が腫れることが多く、首や脇、足の付け根などのリンパ節が痛みを伴わずに腫れることが一般的です。進行スピードに応じて、「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」に分類され、後者が日本人の大部分を占めます。

多発性骨髄腫は、形質細胞と呼ばれる免疫細胞ががん化したもので、骨がもろくなり、骨折や骨痛が起こることが特徴です。

白血病は、骨髄内で分化が止まった未熟な血液細胞が異常に増殖することで起こるがんです。急速に進行する急性白血病と、ゆっくり進行する慢性白血病に分類され、さらに骨髄性かリンパ性かにより異なる4つのタイプに分けられます。

女性特有のがんの種類

続いて、女性特有のがんについて詳しく見ていきましょう。

乳がん

乳がんは、乳腺の乳管や小葉から発生するがんで、進行すると周囲の組織を破壊し、血液やリンパ液に乗って他の部位へ転移することがあります。転移しやすい場所としては、乳房に近いリンパ節、骨、肝臓、肺、脳などが挙げられます。乳がんは一般的に女性に多い病気ですが、まれに男性にも発生することがあり、男性の場合も多くは乳管から発生します。

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子宮頸がん

子宮頸がんは、子宮の入り口部分である子宮頸部に発生するがんで、多くの場合、CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)やAIS(上皮内腺がん)といった前がん状態を経て進行します。がんが腟に近い部分に発生した場合、婦人科での定期検査で早期に発見されやすい一方で、子宮頸部の奥の筒状部分に発生したものは見つけにくい傾向があります。

子宮体がん

子宮体がんは、主に子宮の内膜から発生するがんです。進行すると、がん細胞が子宮頸部や腟、さらには周囲のリンパ節、卵巣、卵管に広がる可能性があります。

初期症状は、おりものに血が混じる程度の出血です。進行すると、下腹部の痛み、性交時の痛み、腰痛、足のむくみといった症状も出ることがあります。

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卵巣がん

卵巣がんは卵巣に発生する悪性腫瘍で、良性、悪性、中間の性質をもつ「境界悪性腫瘍」があります。卵巣腫瘍は、発生元の組織により「上皮性腫瘍」「胚細胞腫瘍」「性索間質性腫瘍」の3つに大別され、上皮性腫瘍が最も多く、卵巣がんの約90%が上皮性です。

卵巣がんが進行すると、腹膜や大腸、小腸、横隔膜、脾臓などの臓器に広がり、腹膜播種と呼ばれる状態が生じます。これが腹腔内に転移すると、腸や横隔膜、腹壁の内側にがんが浸潤し、さらには肺や肝臓、脳、骨などの遠隔臓器に転移することもあります。

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まとめ

がんは私たちの体の至る所に発生し、種類によって症状や治療法が異なります。早期発見は予後に大きく影響を与えるため、自身の健康を守るためには、がんの特性やリスクについて理解を深めることが重要です。

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