がんを経験した方の中には塩分摂取を控えている方も多くいます。塩分の摂りすぎはむくみ(浮腫)にも繋がるため、注意したいところですよね。そんな方のために、手軽に作れてしっかり美味しい無塩の一品をご用意しました。今回は、2つのソースを組み合わせて楽しむ、ゆで鶏レシピをご紹介します鶏ささみ(または鶏むね肉)しっとりに仕上げるポイントと、2つのソースを無塩でも美味しく楽しむ方法に注目してください。また、鶏肉をゆでた後のゆで汁に、お好みの具材を加えてスープにアレンジすれば、素材を活かしきることができます。
ゆで鶏と2種のソース(ごまだれ・なめこと大根おろし)のレシピ
20分
[ゆで鶏]
- 鶏ささみ2本 (鶏むね肉の場合、1/2枚)
- 長ねぎ(青い部分) 1本分
- しょうが[TO9] 薄切り 2~3枚
- 青菜(今回は青梗菜を使用)適量
[2種のソース] ※完成する分量は、それぞれティースプーン4杯分ほど)
1)なめこと大根おろし
- 大根 約3cm
- なめこ缶詰 50g(生なめこでも可)
- 黒酢 大さじ1/2
- 鶏のゆで汁 大さじ1
2)ごまだれ
- 白ねりごま 大さじ1
- 白いりごま 小さじ1
- はちみつ 小さじ1/2
- ごま油 小さじ1
- 酢 大さじ1
- 白こしょう 少々
[ゆで鶏]
① 鍋に水3~4カップと長ねぎ、しょうがを入れて火をつける。沸騰したら弱火にし、鶏ささみを入れる。3~5分ほどゆでて火を止め、ゆで汁につけたまま予熱でさらに火を通す。
② 鶏ささみは削ぎ切りにしてソースをかけ、ゆでた青梗菜も添える。
[2種のソース]
1)なめこと大根おろし
大根は皮をむいてすりおろし、なめこの缶詰または生なめこをゆでたものを混ぜる。黒酢大さじ1/2を合わせ、鶏のゆで汁大さじ1を加えて薄める。
2)ごまだれ
白ねりごま大さじ1、白いりごま小さじ1、はちみつ小さじ1/2、ごま油小さじ1、酢大さじ1、白こしょう少々をよく混ぜ合わせる。
[ゆで汁の使い道]
ゆで汁はキッチンペーパーで漉し、卵や、ねぎ等お好みの具を入れて、スープにするのがおすすめ!
鶏肉は、清潔な手で作業を行い、中心部まで火が通るように鶏肉の厚い部分に包丁を入れて開くようにしましょう。鶏をゆでている間は沸騰させないことで、しっとりした食感に仕上がります。黒酢やお酢の酸味やコク、ねりごまやごま油の濃厚な味わいを利用することで、無塩でもおいしいソースに仕上がります。はちみつの甘さを利用することもポイントです。
鶏肉のゆで汁には鶏のうま味がしっかり出ているので、スープにして残さずいただきましょう。
鶏ささみ肉:たんぱく質は、筋肉や皮膚、髪、爪など、身体のあらゆる組織を作るのに欠かせない栄養素です。特に、鶏肉の中でささみ肉とむね肉には豊富に含まれています。また、疲労回復効果が期待されるイミダペプチドも、ささみ肉とむね肉に多く含まれています。
なめこ:なめこは低カロリーでありながら、食物繊維やミネラルを豊富に含んでいます。特に特徴的なβ-グルカンという食物繊維は、免疫機能をサポートし、血糖値の急激な上昇を抑えてくれる働きがあります。
<レシピ監修>
沼田春美(ぬまた・はるみ):家庭料理研究家/無塩料理研究家
1970年より家庭料理教室を自ら主宰
・18歳で岡松喜与子料理教室に入室
・新橋・料亭『京味』西健一郎氏に師事
・銀座三笠会館にて和食・洋食・中華の研鑽を積む
上記活動に加え、体に負担の無い無塩調理の研究に従事。2010年より無塩調理法に則した病床料理教室を開催し、がん患者・その家族に対して食事療法を提供
インスタグラムアカウント
https://www.instagram.com/muenchori/
<文・写真>
山﨑麻未(やまさき・あさみ)
管理栄養士・調理師
病院管理栄養士として7年間、調理業務・献立作成・栄養指導に携わる。
現在フリーランスとしてレシピ開発や特定保健指導を行っている。