「がんを経験した今だからこそ欲しいクリスマスプレゼント」をテーマに、11月21日から12月1日まで短いエッセイを募集し、234件の心温まる作品が集まりました。
12月22日には、がんと向き合う女性たちの思いが詰まったファイナリストの10作品の中から人気投票を行い、待望のクリスマスエッセイ大賞2024の結果が発表されました。
この結果発表は、PeerRingのYouTubeチャンネル「ピアリングチャンネル」でライブ配信され、視聴者は感動的なエッセイの朗読を通じて心温まる瞬間を共有しました。
あなたの一票がどの作品に影響を与えたのか、ぜひ振り返ってみましょう。
大賞:子どもたちに“頑張ったね“の「サンタさんの表彰状」
子供たちへ、頑張ったねの表彰状かサンタさんからのお手紙が届いたら嬉しいです。 子供の小学校入学とともに始まった癌との同居生活。手術、抗がん剤、放射線、経口抗がん剤と怒涛の治療の日々と、母親の見た目の変化に晒され続けた子供達。申し訳ない気持ちでいっぱいで、どんなに不安だったかと思うといまだに胸が痛いです。
その中でもママ負けないで、お禿げでも可愛い、ウイッグ素敵、お薬頑張れ、休んでるのがママの仕事だよ、とたくさんの温かい言葉をかけ続けて支えてくれました。 こんな小さい子達のどこにこんないっぱいの優しさが詰まっているのかとびっくりしました。 このまま真っ直ぐ、優しいまま育ってほしい。 そしてまわりの大人たちもサンタさんも、ちゃんといい子たちのこと見守っているんだよ、えらかったね、と褒めてあげてほしい。 自分達が頑張った良い思い出にしてあげたいと思いました。
がん治療医:押川勝太郎賞 両親へ海外からビデオチャットする「パソコンのモニター」
私が欲しい物はパソコンのモニターです。
私はコロナ禍前から海外にいるパートナーと遠距離恋愛をしていました。行き来が出来なくなりただでさえ辛い時期に乳ガンが発覚したのです。手術直前まで迷いましたが振られる覚悟で伝えたところ、そんな理由で別れる訳ないと言ってくれ、実際に態度も変わること無く接してくれました。
治療が一段落し髪も伸びコロナ禍も収束してきたため、彼の国に行こうか考え始めていた最中に彼のお母様が亡くなりました。落ち込む姿を見て一緒に住むことを決断し日本を離れ新しい生活を始めたところです。海外に住むことは不安ですが人生は一度きり、後悔しないよう生きたいと思うようになりました。辛い時に支えてくれた彼を今度は支えてあげたいです。私の両親も高齢なので心配ですが、海外に住むという決断を快く受け入れてくれました。両親がビデオチャットしやすいようモニターを買ってあげたいのでモニターが欲しいです。
MICIN賞:仲間と歌う喜び「防音マイク」
欲しいものは防音マイクです。
癌を経験し、これまでやったことのない新しいことに挑戦したいと考えていましたが、なかなか気持ちが前向きになれず、何を始めたらいいのか分からない日々が続いていました。そんな中、ピアリングブルーに参加し、少しずつ仲間が増え、楽しい時間が増えていきました。それでも、新しい挑戦をする勇気はなかなか持てなかったのですが、ある日、イベントでみんなと歌ったとき、心の底から「あぁ楽しい!」と思えたのです。それはボイトレでした。
病気になる前には考えられなかったほど、思い切り声を出し、歌を仲間と楽しむ喜びを感じることができました。気が付けば、ピアリングブルーの活動を通じて、新しいことへの挑戦という願いが叶っていました。文化祭1(ピアリングのイベント)で人前で歌うのも初めてで、とても嬉しかったです。自宅でも練習を続けたいので、防音マイクをぜひお願いしたいです。
ピアリング賞:3歳の娘に褒められた!「化粧道具」
2人目妊娠中の時に乳がんがわかりました。
出産予定日の2週間前に判明し急いで大学病院に転院して少し早めの出産、退院日にステージⅢと告知されました。本来幸せな思い出になるはずの出産なのにその時は今後のことを考えると絶望感でいっぱいでした。
抗がん剤で髪が抜け眉毛もなくなり手術で胸も失った自分に誰も興味は持たないだろうとオシャレすることも諦めていた時に、3歳になる長女が「ママ今日かわいいね」と服装や化粧を褒めてくれました。こんなにも身近に自分をみてくれている子がいたんだと感動してそれからは外に出る時はきちんとメイクして服装にも気を使うようになりました。ウィッグもたくさん購入し今では気分に合わせて着用して楽しんでいます。最近は娘が化粧をしてくれます。必ず厚化粧になりますが(笑)今後も自分に自信をつけるために化粧道具をもらって娘とメイクを楽しみたいと思いました。
ピアリングブルー賞:息子とのコーヒータイムに「電動コーヒーグラインダー」
私には夢があります。息子とコーヒースタンドを出すことです。
2年後の予定です。切除不能の大腸癌ステージ4の私がそんな先のことを考えていいものか悩みましたが、以前にカフェをやりたかった けど、途中で諦めてしまったその夢を息子が一緒にやろう、実現しようと言ってくれたから、何が何でも生きていたいのです。
今息子は社会人で一人暮らし。金曜日の夜にコーヒー豆を焙煎して、土曜日に私のもとに持ってきてくれます。 「新鮮なコーヒー豆でおとすコーヒーは体にいいよ」とコーヒーを淹れてくれます。2人でこれからのことを色々話しながら飲むコーヒータイムが今の私の生きる糧です。先日、自分でコーヒーを淹れようと手動のミルで豆を挽こうとしたら、抗がん剤の副作用の手指の痛みでミルのハンドルが回せなくなって、、 私がサンタさんから欲しいのは「電動のコーヒーグラインダー」です。週末に息子が持ってきてくれるコーヒーを挽くために。
いかがでしたか?がんを経験した女性たちの心温まるエッセイが多く寄せられましたね。
234件の応募の中から選ばれたファイナリストたちの作品は、私たちに深い感動を与えてくれました。
彼女たちの言葉には、希望や感謝、そして愛が溢れており、私たちに大切なことを再認識させてくれます。このような素晴らしい作品に触れることができたことを嬉しく思います。
ここで紹介した以外にも作品が紹介されているので、ぜひアーカイブ動画をご覧になってください。