がんを経験した方の中には塩分摂取を控えている方も多くいます。
塩分の摂りすぎはむくみ(浮腫)にも繋がるため、注意したいところですよね。
そんな方のために、手軽に作れてしっかり美味しい無塩の一品をご用意しました。
麺類はスープやつゆに塩分が多く含まれていると思われがちですが、実は麺自体にも塩分が含まれています。特にうどんは小麦粉にコシを出すために塩は必要不可欠なため、1玉あたり1.2g前後もの塩分が含まれています。しかし、そばは塩分が比較的少なく、減塩を心がける方にとっておすすめの食材です。特に十割そばは塩分量が0.1g以下のものが多いため、使いやすいのではないでしょうか。今回は十割そばを使って、具材たっぷりの料理を紹介します。
20分
- 十割干しそば 160g
- さやいんげん(冷凍) 6本
- 長ねぎ 1/2
- にんじん 50g
- しょうが 1かけ
- 油揚げ 1/2枚
- 干し椎茸2枚
- 小ねぎ(小口切り) 適宜
[調味料]
- ごま油 大さじ1
- 白こしょう 少々
[たれ]
- 練りごま 小さじ1
- 干し椎茸戻し汁 1/2カップ
- 片栗粉 小さじ1
下準備:干し椎茸は前日から1/2カップの水で戻し、戻し汁もとっておく
① そばは硬めにゆでて水にさらし、ザルにあげる。
② さやいんげんは3㎝の長さに切り、長ねぎは小口切りにする。にんじんは3㎝の長さの短冊に切り、生姜は皮をむいて千切りにする。
③ 油揚げは熱湯をかけて油抜きし、千切りにする。水で戻した干し椎茸はうす切りにする。
④ 中火に熱したフライパンに半量のごま油(大さじ1/2)を入れ、いんげん、にんじん、しょうが、干し椎茸を加えて炒める。火が通ったら長ねぎ、油揚げを追加する。
⑤ 具材をフライパンの端に寄せ、残りのごま油とそばを入れて炒め、全体を混ぜてこしょうを振る。
⑥ 小鍋に、[たれ]の材料を入れて中火にかけ、混ぜながらとろみがつくまで火を通す。
⑦ 皿に⑤を盛り、⑥をかけ、小ねぎ(小口切り)を飾って完成。
十割そばは切れやすいので、さっと炒めましょう。塩を控えるポイントは、生椎茸ではなく、うま味の強い干し椎茸を使うことです。戻し汁も一緒に使うと、さらにうま味が増します。練りごまで作るタレはとろろそば風の風味になり、麺全体の味を引き締めてくれます。生姜やねぎなどの薬味をたっぷり使うことで風味も高まり、具材もたくさん入っているので、満足感のある1品になりますよ。
そば:そばはうどんの約2倍近い量の食物繊維を含んでいます。また、そばには多くのたんぱく質も含まれており、人間が健康を維持するために必要な必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。さらに、そばには血管を強化し、抗酸化作用のある成分であるルチンも含まれています。
干し椎茸: 天日干しにした干し椎茸には、骨粗しょう症予防や健康な骨を保つのに必要なビタミンDが豊富に含まれています。天日干しの干し椎茸が手に入りにくい場合は、家庭で干し椎茸を日光(紫外線)に2〜3時間当てるだけでもビタミンD量が増えるので、ぜひ試してみてください。
<レシピ監修>
沼田春美(ぬまた・はるみ):家庭料理研究家/無塩料理研究家
1970年より家庭料理教室を自ら主宰
・18歳で岡松喜与子料理教室に入室
・新橋・料亭『京味』西健一郎氏に師事
・銀座三笠会館にて和食・洋食・中華の研鑽を積む
上記活動に加え、体に負担の無い無塩調理の研究に従事。2010年より無塩調理法に則した病床料理教室を開催し、がん患者・その家族に対して食事療法を提供
インスタグラムアカウント
https://www.instagram.com/muenchori
<文・写真>
山﨑麻未(やまさき・あさみ)
管理栄養士・調理師
病院管理栄養士として7年間、調理業務・献立作成・栄養指導に携わる。
現在フリーランスとしてレシピ開発や特定保健指導を行っている。